G大阪のMF小椋祥平(29)が、チームに荒々しさを植え付ける。今季初タイトルが懸かる28日の富士ゼロックス・スーパー杯浦和戦(日産ス)に向け、25日は大阪・万博練習場で軽めの調整をこなした。前日24日ACL開幕戦の広州富力戦は0-2で完敗。横浜から新加入し、先発した小椋は「ファウルをしても止めるとか、激しいプレーも必要。そういう役目は俺がやる」と宣言。“悪役”に徹する意気込みを示した。

 昨季の3冠王者は、きれいなパス回しが持ち味だ。一方で、守備を固められると打開策を見いだせず、広州富力戦のように速攻で撃沈する悪循環に陥る。プロの第1歩を踏んだJ2水戸時代、狙った獲物は逃さない職人肌のボランチとして“マムシの祥平”の異名をとった男は「あの頃は多少、汚いことをしても外国人を止めないと、勝てなかった。今もその気持ちは忘れていない」と言い切る。

 激しさを注入するために横浜から移ってきた。「きれいなサッカーだけでは勝てない時もある。そのために俺はガンバに取ってもらった。ゼロックスは一発勝負。しっかり勝ちきる」。長谷川監督も「(敗戦を)謙虚に受け止めて、ゴール前の厳しさを上げていく」と話した。まずは今季初タイトルで、敗戦のショックを振り払う。【益子浩一】