8年連続ホーム開幕飾れず。J2札幌は長崎に敗れ、14年ぶりの開幕連勝を逃した。前半20分に失点すると、後半17分には3トップで初先発の宮沢裕樹(25)が2度目の警告を受け退場。その後、バルバリッチ監督(53)はシステムやメンバーを変えながら攻め手を探すも、FWナザリト(24)、都倉賢(28)の主砲2人が完全に封じられ、無得点に終わった。

 またしても開幕ダッシュはできなかった。0-1の後半ロスタイム4分、MF前貴のFKをFW都倉がヘッドで落としFWナザリトがゴール前に走り込むも、右足シュートは空振り。開幕戦で2ゴールをたたき出した主砲も、今回はシュート1本と鳴りをひそめ「内容も悪く難しい試合だった」と眉間にしわを寄せた。

 すべてが後手後手だった。前半20分、ゴール前のこぼれ球にDF櫛引が寄せきれず、シュートを打たれ失点した。ロングボールを前線のナザリト、都倉に放り込む形を繰り返すも、読まれて、セカンドボールを拾われて、押し込まれる展開。稲本は「簡単に蹴るところ、蹴らないところの判断が必要。つなごうとすればできるところもあった」と課題を挙げた。

 札幌のシュートは、わずか3本。3-4-3の布陣も、左右MFがDFラインに吸収され、ほぼ“5バック”のような陣形で、長崎の攻撃を受ける時間が続いた。ボランチの両脇を自由に使われ、守備に追われ運動量の落ちたMF稲本はハーフタイムで交代となった。バルバリッチ監督は「チーム全体が連動できず、受け身なプレーが多くリアクションに回ってしまった」と説明。ボールへの最初のアプローチが遅れ、終始かわされ相手を追いかける流れが続き、チャンスはほとんど生まれなかった。

 07年以来のホーム開幕白星を逃した。札幌ドームに1万8086人を集めたが、本拠初戦からブーイングが出た。FW都倉は「この結果を真摯(しんし)に受け止め、次につなげるようにしたい。ここは特別な場所。みんなが楽しみにしていたのに、悔しい」と言った。ロングボール頼みとなった攻撃、連動できず消極的になった前線からの守備-。課題ははっきりしている。21日の次節福岡戦もホーム開催。ファンの期待を、2戦連続で裏切るわけにはいかない。【永野高輔】