広島が、史上8クラブ目となるJ1通算300勝を達成した。DF塩谷が今季初得点を含む2発。日本代表候補入りしたFW浅野も後半23分に途中出場すると、2分後に左足で決めた。大黒柱のMF青山主将を出場停止で欠きながら、暫定2位に浮上した。前節まで299勝299敗。森保一監督(46)は「300勝と300敗、どちらが早かったですか? 勝ち星が先行できて良かった」と笑った。

 紆余(うよ)曲折を経てたどり着いた300勝だ。第1歩はJリーグが産声を上げた93年5月16日の開幕市原戦(2○1)。森保監督は選手としてピッチにいた。50勝目を挙げた95年4月1日横浜F戦(2○1)では、着用する紫のユニホームを忘れ、サポーターから借りる“事件”もあった。08年はJ2で戦い、13年にはJ1で復活の2連覇。そして今季も、第1ステージ制覇の夢が続いている。

 2得点の塩谷は「これ以上の結果はない」。浅野も「一丸になった白星です」と胸を張った。10日G大阪戦を観戦した古参サポーターが帰り道で事故に遭い他界。森保監督は「草創期から応援してくれていた。勝利を届けたかった」と心から言った。【益子浩一】

 ▼J1チーム通算300勝 広島が23日の新潟戦(Eスタ)で達成。史上8チーム目(過去に鹿島、横浜、名古屋、清水、浦和、磐田、G大阪)。697試合目で到達し、通算98分け299敗。試合に敗れて300敗目となればJ1史上初だったが、それより速く節目の300勝を迎えた。