今季3度目のみちのくダービーはドローに終わった。山形は年間最下位を脱出も18戦勝利なし。石崎信弘監督(57)が残留について「苦しいのは分かっている」と初めて認めた。

 同じ光景が繰り返された。MFロメロ・フランク(28)が先制点を決めた8分後の後半22分。左からのクロスに対して、マークの受け渡しがずれた隙をハモンに決められた。得点後10分以内の失点は2戦連続の今季4度目。DF渡辺は「毎試合の課題を今日もやってしまった。甘さがある。徹底していかないと」と振り返った。勝ち点1を上積みし、最速10月3日湘南戦での降格決定を回避したものの、シルバーウイーク3連戦はすべてドローに終わった。

 短期間での修正が間に合わなかった。23日の松本戦でも勝ち越し3分後に失点した。中2日の練習では、得点後の守備の約束を決めていた。GK山岸は「選手同士で考えて、守備ブロックをつくるのではなく、リスクを背負わず高い位置でプレスを掛け続ける」という方針を明かすも、結果的には失点してしまった。中盤でボールを奪取し続けたMF小椋も「監督の指示が届く前に失点してしまっている。やってる選手で意思統一しないと」と話した。

 今季6度目の先制点をフイにして18戦連続白星なしに終わり、自ら残留の道を狭めた。石崎監督は「1点とった後のイージーなミスで失点してしまう」と下を向いた。15位新潟との勝ち点差は8。残り5試合、もう1つも落とせない。同監督は「苦しいのは分かっている。1つ1つあきらめないで戦っていく」と宣言するしかなかった。【高橋洋平】