本家の力を見よ! G大阪の元日本代表MF遠藤保仁(35)が26日、柏木封じを宣言した。明日28日のチャンピオンシップ準決勝浦和戦(埼玉)へ、大阪・万博練習場での非公開練習に参加。日本代表で「ポスト遠藤」と期待される浦和MF柏木陽介(27)の長所封印を決意し、大ベテランが2年連続年間王者への道を開く。一発勝負を制すれば、決勝で年間勝ち点1位の広島と対戦する。

 2年連続年間王者へ、主将のMF遠藤の気合は十分だった。「柏木だけではないけれど、同じポジションなんでね。1対1では負けられない。(勝つことで)チームとして有利に働かせないといけない」。G大阪の準決勝突破のために、淡々とした口調だが決意をにじませた。

 遠藤は今季、G大阪で15年目を迎えた。日本最多の国際Aマッチ152試合(15得点)を誇るが、ハリルホジッチ監督就任後は世代交代を理由に招集されていない。逆に代表で定位置をつかみかける柏木は、自身の後継者だがライバルでもある。決定的なパスの供給に加え、自らも得点を狙う姿勢は同じだ。

 遠藤は共通点を「2人とも足が遅い」と笑って分析しながらも「フリーにさせたらなんでもできる選手」と警戒を強めた。日本代表で共に戦った経験もあり、スタイルは熟知する。「先に点を取ると圧倒的に有利になる」。ピッチの上で遠慮はない。

 今季の公式戦で浦和には2勝1敗とリードする。埼玉スタジアムは昨季リーグ終盤で完勝し、優勝をたぐり寄せた場所だ。「たくさんのお客さんが入るチームはなかなかない。注目されるのはいいこと。その中でやれるのは光栄に思う」と遠藤。最終節で年間3位に逆転で滑り込んだ勢いも武器に、リーグ2連覇へ。背番号7が日本を代表する司令塔対決を制すれば、広島との頂上決戦が待っている。【松本航】