J2札幌MF古田寛幸(24)が来季、金沢に完全移籍することが16日、分かった。今後、条件面を詰め、近日中に正式発表となる。金沢は札幌U-15時代に指導を受けた森下仁之氏(48)が監督を務めており、恩師の元で、第2の選手人生をスタートさせる。

 札幌から契約満了が発表された際、真っ先に獲得に乗り出したのが金沢だった。しかも昨季に続き、2年連続の正式オファー。興味を示すクラブは複数あったが、森下監督はU-15時代の04年から3年間、監督として教えを受けた存在でもあり、誠意と熱意を受け止め、新天地に決めた。

 フレッシュなクラブで再起を図る。金沢は今季J2昇格初年度ながら、組織的な堅い守備からのカウンターを武器に躍進。第11、12節で首位に立つなど、旋風を起こした。6月28日京都戦から4カ月19試合未勝利で一気に順位を落とし12位に終わったが、来季に向け、既に元ブラジル代表FWロマーリオの息子でバスコ・ダ・ガマ(ブラジル)FWロマリーニョ(22)を獲得。さらにJ1経験のある古田を加え、初のプレーオフ進出につなげる。

 讃岐から復帰した今季は22試合に出場。7月8日大宮戦で1得点も、10月には左膝外側半月板損傷で手術。不完全燃焼のまま戦力外となったが、既にランニングができる状態まで回復し、1月のキャンプ中には復帰できる見込みだ。特長も性格も熟知する森下監督の元でさらに進化を図り、北陸の地からJ1を目指す。

 ◆古田寛幸(ふるた・ひろゆき)1991年(平3)5月23日、札幌市生まれ。札幌東川下サッカースポーツ少年団から札幌U-15、U-18を経て、高校3年の09年にトップ登録。同年8月2日C大阪戦でJリーグ初出場、10年5月30日富山戦で初得点。昨年7月に讃岐に期限付き移籍し今季、復帰。U-15から19まで世代別日本代表。Jリーグ通算151試合16得点。170センチ、64キロ。家族は両親と兄。左利き。