本格始動初日から四方田イズム全開! J2札幌の四方田修平監督(42)が沖縄金武合宿2日目の19日、自ら招いた特別講師による「チームビルディングスタディ」を実施した。専門家による講義や共同作業などを通じ、チームワークを高める方法を学ぶもの。指揮官は昇格へのコンセプトに「一体感」を強調しており、まず思考回路から鍛え上げ、勝者のメンタリティーを植え付ける。

 本格始動初日から、いきなり座学が盛り込まれた。午前練習は体力測定で終了。ハードなペース走をこなした後とあり、四方田監督は「午前は限界までやっているから、午後にやれることは限られる。シーズン最初だし、タイミングもいい。一体感をつくるためのきっかけづくりにしたい」と説明した。午後からチーム全員が宿舎に戻り、東京電機大で教養教育学を指導する福富信也氏(35)による、特別講義が実施された。

 16年札幌は、まず思考力を養う。同氏は同大サッカー部監督で、14年からは指導者S級ライセンス講習の講師を務め、J1横浜や仙台にも招かれ「チームビルディング」について講義してきた。意見の食い違いに着目し、各自の考えを、どう生かせば組織として成長できるかということを、さまざまな手法で伝えてきた。指揮官も昨年、S級取得時に同氏の講義を受講。チームに還元したいと、昨年12月に再会した際に依頼し今回、実現した。

 同氏は「広島のように予算的にトップでなくても優勝できるチームがある。1+1が2のチームもあれば、それ以上になるチームもある。ロスをなくし効果を上げる」と説く。札幌で初めて実施するチームワーク強化授業。講義だけでなく、舞台に立って、互いに発言し合い、チームとして考えをまとめる作業など、現実を踏まえたセミナーが3時間、実施された。

 初体験だった主将のMF宮沢は「若い選手が多い中、発言しやすい環境をつくることができたかな。シーズン終了後、講義を受けて良かったと思えるような結果を残せるように頑張りたい」と手応えを口にした。昨季のバルバリッチ監督は、沖縄合宿で、太もも周りの負傷回避のため下半身の筋力強化を土台に据えた。四方田体制初のキャンプは、肉体強化と並行して、組織が効果的に動くための“脳トレ”も加え、確実に結果を出せる集団へと、進化させていく。【永野高輔】