将来のベガルタは俺が背負う-。仙台のルーキーMF佐々木匠(17)が、決意と覚悟を胸にプロ1年目のキャンプに臨んでいる。仙台ユース時は高2のときから2種登録され、14年にはクラブ史上最年少でベンチ入りを果たすなど、高い能力の持ち主だ。U-18日本代表でもスタメンを張る期待の新星は、鹿児島キャンプ4日目28日の紅白戦でも、華麗なドリブルやターンを披露し、首脳陣にアピールした。

 “箱入り息子”がトップチームの戦力になる。佐々木は仙台市に生まれ、6歳から下部組織で一貫教育を受け成長。世代別日本代表にはU-16から選出され続け、U-17では主将を務め、現在U-18でも主力の存在だ。まだ17歳だが「今年はやらなきゃという気持ちがすごく強い。1年目から試合に出て結果を残したいので、今までと緊張感は全然違います」(佐々木)。今キャンプを飛躍の足がかりとする。

 「憧れすぎて今も緊張して簡単には話せない」というMF梁勇基から、将来的に背番号10を引き継ぐのが、佐々木の夢だ。「財前(宣之)さんの時から見ていますしこだわりのある番号。いつか梁さんから『10』をもらいたい。次は俺がつける。俺しかいないだろうって思います」。佐々木自身、サポーター歴も長く「梁さんの初ゴールパフォーマンスも覚えていますし、昨年も2種登録されてましたけどサポ自(ゴール裏席)で試合を見たり…好きなんですよね、ベガルタが」。幼い頃からサインをもらいに練習場へも通っていたほどだ。

 165センチと小柄ながら攻撃的ポジションならどこでもこなす器用さがあり、軽やかなターンや、インサイドへ切り込むドリブルも魅力だ。この日の紅白戦ではMF藤村とダブルボランチを組み、早くもチームの中心でプレーした。

 「今は、ユアスタで自分の選手紹介がどんなふうになるのかが楽しみ」と、無邪気に笑う佐々木。はんぱないベガルタ愛を、今年からトップの舞台で表現する。【成田光季】