奇襲弾、発射準備中-。仙台のDF石川直樹(30)が今季、ミドルシュートでの“襲撃作戦”を企てている。開幕スタメン濃厚の左サイドバック(SB)は「30歳での新たな挑戦」と位置付け、堅守の一端を担うだけではなく、左SBから積極的に攻撃参加し、相手の意表を突くプレーをもくろんでいる。

 攻撃的SBが両サイドに構える。右SB菅井は、度々ゴール前へ出没してはゴールを奪うのが特長だ。その菅井と対称に位置する石川直が「こっちも打つかも」と、左足からシュートをたたき込む、そんな理想を描いている。今季就任した福永コーチと相談した末に「新たな武器にしたい。左利きですし、相手DFが(守備を)見切った後などで打てたら」と隙を狙う。現時点では「もっとしっかりしたものを打てるよう練習中」で、この日も居残りで1人黙々と、シュート練習を繰り返していた。

 「これ(流れの中でのシュート)で年内に1点は取りたい」と意気込む。昨季は2度の大けがに泣かされたこともあり「今年の全試合出場は絶対条件。課せられたことだとも思う」とフル回転を誓う副キャプテン。守備の要でありながら、ここぞの1発でチームを勝利に導いてみせる。【成田光季】