5年ぶり黒星発進-。札幌は開幕戦で東京Vに0-1で敗れた。後半30分にカウンターから失点し、追いつくことができなかった。FWで先発したブラジル人の新戦力ジュリーニョ(29)がチャンスをつくるも、ゴール前での連係面に、まだずれがあり無得点。今日29日からの熊本ミニ合宿で再度、微調整し、第2節での初勝利につなげる。

 イメージ通りに動けなかった。札幌が敵陣深く攻め込み、前掛かりになった後半30分。前線に残っていた東京Vアラン・ピニェイロにドリブルで運ばれ、最後は増川が対応も、失点を阻むことはできなかった。味スタに集まった4200人の札幌サポーターは、奮起を促す意味で、初戦からブーイングを浴びせた。

 万全の準備をしても空回りするのが開幕戦。百戦錬磨のMF稲本ですら苦しんだ。「キャンプでやってきたことを出そうとトライしたけど、まったく出せなかった。出足の速さ、球際の強さという、自分たちが掲げていたところで負けてしまったのが敗因の1つ」。シュートわずか4本。こぼれ球を拾われ、奪っても、その後のミスで失う悪循環で、リズムが出なかった。

 シーズンは始まったばかり。大事なのは1敗で自信を失わないこと。四方田監督は「全体をコンパクトに保ち、奪いどころに制限をかけ攻撃の回数を増やすこと。守備の終わり方が悪くボールを動かすことが少なかったので修正したい」と課題を挙げた。崩されての失点ではない。前線とDFが間延びした原因にてこ入れし、早期改善を図る。

 収穫もあった。新戦力ジュリーニョは見せ場をつくった。後半13分、左サイドで1人振り切り、逆サイドのFW都倉にクロスを通した。シュートはブロックされたが、速さと技術はJで通用することを証明した。「今日は引っ掛かってカウンターを受けることが多かった。開幕という硬さがあったのかもしれない」と指揮官。90分で得た感覚を、2戦目からの爆発につなげる。

 前回黒星発進の11年は、敵地で愛媛に0-2と完敗後、立て直してJ1昇格につなげた。まだ42分の1。熊本から再度出直し、5年前のドラマを再現させる。【永野高輔】

 ◆札幌のリーグ開幕戦 チームが誕生した96年から○○●●○○●●△△○●●●△●△○○○●で8勝4分け9敗。リーグ別ではJFL2勝、Jリーグ1敗、J1が1勝1分け2敗、J2は5勝3分け6敗。昨年までのJ2開幕戦連勝は3でストップ。