J2清水は0-0で水戸とスコアレスドローに終わった。前半から相手の攻撃を受ける時間が続き、風上となった後半も打開策を見いだせなかった。守備は2試合連続で無失点に抑えたが、前節群馬戦でJ2最多タイの8得点を挙げた攻撃陣は無得点。シュート数も今季最低の3本と積極性を欠き、連勝を逃した。

 攻撃の糸口を見いだせないまま、90分間が過ぎた。清水は、風下の前半から相手の攻撃を受ける時間が続き、自陣に押し込まれた。最終ラインはズルズルと下がり、クリアボールも強風に押し返されるシーンが続出。同41分にMF白崎凌兵(23)の右クロスをMF河井陽介(26)が頭で合わせたが、ゴール左に外れた。前半最大の決定機を逃すと、風上となった後半も流れを変えられなかった。

 ハーフタイムに小林伸二監督(55)は「風上になることをしっかり頭に入れておくこと」と強調したが、逆効果だった。相手の背後を狙ったロングボールは風に流されて何度もタッチラインを割った。風の影響で冷静さを失い、MF河井とMF竹内涼(25)を起点にした中盤でのパスワークは、ほとんどなかった。

 小林監督は「足元でのプレーがなくなってしまった」と振り返った。前節ホーム群馬戦ではシュート19本を放ち、J2最多タイの8得点を記録。しかし、この日はシュートわずか3本。記録的大勝の勢いで連勝を狙ったが、全く別チームのようだった。

 主将のFW大前元紀(26)も「相手のやりやすい感じで試合が進み、自分たちは何もない試合になってしまった」と反省を口にした。次戦は中3日の8日(水)にアウェーで2位町田と対戦。12日(日)にはホームで横浜FCと戦う。MF河井は「連戦なので、次の試合で勝ち点3を取れるようにしたい」と言った。「1年でJ1復帰」のためには、勝利を重ねることが最重要。今こそ、安定したチーム力が求められている。【神谷亮磨】