◆鹿島MF土居聖真(24)

 16年12月のクラブW杯で準優勝と大健闘した鹿島の背番号「8」が気になる。本紙では嵐の相葉雅紀似のイケメン選手とも紹介したMF土居。山形県出身だが、ジュニアユースから鹿島に所属し、11年にMF柴崎岳やDF昌子源とともに入団した“プラチナ世代”の1人だ。

 Rマドリード相手に2ゴールを奪い世界的にも注目の的となった「10」の柴崎や、DFリーダーの証である「3」を背負い、チャンピオンシップから知名度を一気に高めた昌子の陰に隠れがちではあった。だが生え抜きであることや、MF小笠原、野沢がつけた「8」を受け継いでいることからも、常勝軍団の核として大きく期待されているのは確か。172センチ、63キロの華奢な体格やさわやかな笑顔からは想像しづらいが、プレー姿勢からはプライドや意地のようなものも感じる。

 「28」から現番号に変わった15年の第2ステージ第7節仙台戦。先代の野沢と新旧「8」番対決となった一戦でのインパクトは強烈なものだった。前半に野沢が2得点し、「どうだ」と言わんばかりに古巣カシマスタジアムのコーナーフラッグをつかんでパフォーマンス。しかし、鹿島はDF山本のゴールで1点を返し、終盤に土居がさらに2点を奪い返して逆転勝利に導いてみせた。

 クラブの歴史を紡いできたレジェンドたちの番号を自分のものにした瞬間だったと思う。この試合後、「世代交代かな」と野沢がポツリ。後輩の成長をうれしく認めたような、悔しいような表情だったのも印象的だった。土居は16年のリーグ戦で8得点をマーク。クラブW杯準決勝ナシオナル・メデジン戦では、FIFA主催試合で初めて導入されたビデオ判定で得た、歴史的なPKを蹴った。【成田光季】