青森山田が前橋育英(群馬)を5-0で破り、22度目の出場で青森県勢初優勝を果たした。

 攻守の中心に守護神がいた。青森山田GK広末が危機を救う。前半16分、相手との1対1。体を投げ出してセーブした。後半に入ると飛距離約75メートルのキックで攻撃参加。12、14分にプレースキックをピンポイントでFW鳴海へ供給した。「剣を隠し持っていました」と右足一振りで2得点を演出した。

 GKに必要な集中力と読みが鋭い。昨年8月に祖父母の実家である大分へ帰郷。釣りに出かけると75センチのヒラメとマダイを釣り上げた。父晴彦さん(46)は「あいつは何でもうまい。太鼓の達人とか音ゲー(音楽ゲーム)も」とタイミングが必要な遊びはお手の物。広末は「魚をさばくのも得意」と笑う。卒業後は東京加入が内定。ユースに昇格できずに青森山田に入学したが、結果を残してトップチームを振り向かせた。U-19日本代表の守護神は「世界に進出できるキーパーになりたい」とプロでの活躍を誓った。