残り20分から壮絶な乱打戦となり、引き分けた。

 開始早々にアウェーのサガン鳥栖が先制した。前半3分、センターバック(CB)谷口のロングパスが、FW豊田と相手CB丸山の競り合いを越え、前線へ通る。抜け出したFWイバルボがペナルティーエリアでGKと1対1になったところ、FC東京DF森重に体を入れられて倒され、PKの笛が鳴った。続く4分、キッカーのFW豊田がGK林と反対の左上に決めた。

 追いつきたい東京は2試合連続先発のMF阿部を中心に組み立てるが、形がつくれない。前日3月31日に第4子の4男が誕生したFW大久保嘉も、なかなか決定機を迎えられなかった。

 鳥栖の1点リードで迎えた後半、東京はMF永井に代えてMF東を投入。すると2分、大久保嘉のセンタリングを受けた東が絶好期を迎えるが、右足のシュートは間一髪でDFに阻まれた。さらに13分、MF田辺とFWウタカを交代。ボランチを1枚減らして勝負に出た。これが当たり、25分に追いつく。阿部の右クロスをウタカが力強いヘッドで押し込み、2戦連発で試合を振り出しに戻した。

 鳥栖は22分にチャンスをつくったが、追加点を奪えなかった。相手CKから一気にカウンター。イバルボが右サイドでキープし、最後は左に展開してほぼフリーの豊田が右足を振り抜いたが、GK林に防がれた。昨季まで鳥栖に所属していた守護神から2点目は奪えず、その3分後に失点してしまった。

 これで勢いに乗った東京は32分に勝ち越す。15年まで東京に所属していた鳥栖GK権田がゴール前でキャッチミス。こぼれ球をMF橋本が右足ボレーで蹴り込んで2-1とした。得点後はサポーターの前に走って大久保嘉と、ゆりかごダンスを披露した。その後、ウタカが追加点を挙げて3-1とリードを広げたが、そこから鳥栖が鎌田、FW趙の連続ゴールで追いつき、勝ち点1を分け合って終わった。