浦和レッズFW興梠慎三(30)がリーグ戦では自身初となるハットトリックを達成した。

 1点目は前半20分。右サイドの崩しからMF関根が送ったクロスに反応した。DFの背後からフリーで走り込み、打点の高いヘディングでゴール左へたたき込んだ。7分後、再び関根との連係で追加点を挙げる。今度は低く速いクロスに、ゴール前で体勢を崩されながら右足で合わせ、右上へ流し込んだ。

 FW武藤のゴールで3-0として迎えた前半ロスタイム、MF宇賀神が得たPKでキッカーを務めた。通常は主将のMF阿部が蹴るが「阿部ちゃんがいけといってくれた」と興梠。「冷静にGKを見て蹴れた」とゴール左に難なく決め、前半だけでハットトリックを決めた。

 後半も何度かチャンスを迎えたが、得点には結びつけられず。「少し力が抜けてしまったかな。得点王をとるような人は決めるんだな、と思った」と照れくさそうに笑った。

 今季はブラジル人FWラファエル・シルバの加入で、2列目をこなすことも多くなった。「ラファとはタイプが全然違う。自分は1人で打開する力はないけど、そのぶんコンビネーションを大事にしている。前の3人(李、武藤)でうまく崩せれば、見ている人も楽しいんじゃないかな」。この日は前線でボールをうばって武藤の得点を演出するなど、本職である1トップで会心の結果。白い歯をこぼした。