北海道コンサドーレ札幌は今日12日、敵地でルヴァン杯清水エスパルス戦(アイスタ)に臨む。2種登録選手を含むベンチ入り選手17人が11日、全体練習後に空路、現地へ飛び立った。

 日本平に、天才が舞い戻る。この日、ハーフコートのミニゲームで中盤に入ったMF小野伸二(37)に、今季初先発のチャンス到来だ。中3日で3試合をこなす過密日程。加えて、故障者が続出している状況で、股関節痛から復帰したばかりのベテランは「自分で想像していたより、ちょっと(実戦復帰が)早かった。どんなプレーが出来るかは分からないけど、チームが勝つために全力を尽くしたい」と、意気込んだ。

 先発となれば、昨季開幕戦以来となる。慢性的な股関節痛と闘いながらの選手生活。ピッチに思うように立てないぶん、若手を精神的にも支えてきた。2日甲府戦(中銀スタ)で途中出場し、途中退場したMF前には「何か仕事が出来れば代えられなかったはず」と説き、くじけそうになっていた21歳の心を救った。

 敵地アイスタでの公式戦は、清水時代以来、5年ぶり。この日のミニゲームでは、絶妙な縦へのバックパスでゴールをお膳立てした。古巣、かつ故郷静岡での“凱旋(がいせん)試合”となるが「札幌が勝つことだけを考えたい。自分たちがボールを持っている時間を大事に、みんなで工夫しながらやっていく」。完全復活した姿を、敵地サポーターも待っている。【中島宙恵】