東京ヴェルディの元日本代表MF二川孝広(36)が、京都サンガ戦の後半29分から途中出場し、今季初出場した。

 二川は、チームが同点に追いつかれた状況でFW梶川諒太に代わってピッチに投入された。「ボールを受けて、ゲームを落ち着かせてほしい」という、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の指示に応えるように、積極的に走った。プレスをかけてボールを奪いにいき、ボールを受ければ味方にパスを展開し、前線に仕掛けた。リーグ戦では、16年11月20日のFC岐阜戦(長良川)以来の出場で、意欲が全身からみなぎるようだった。

 しかし、後半35分に逆転ゴールを許し、チームは敗れた。二川は「勝てなかったんで…負けてしまったんで残念です」と悔しさをにじませた。そして「ボールも狙っていましたし、ゴールを意識したプレーもしていた。でも、もう少し、自分がいかなきゃいけなかった場面も、あったのかなというのもありました」と反省した。

 京都の元日本代表DF田中マルクス闘莉王とは、久々の再会を果たした。ハーフタイムでアップしている時に、後ろから肩をつかまれ、笑顔を返し言葉を交わした。それが、ピッチに入ると、試合の最後の方で「出てくるなよ」と突っ込まれたという。「ファウルした場面だったので一瞬、注意されたかと思った」と笑った。

 この日は、前節まで得点ランク2位の8ゴールを決めていたFWアラン・ピニェイロを出場停止で欠いた。さらに前半40分に先制ゴールを決めたFWドウグラス・ビエイラが後半35分で途中交代すると、前線にターゲットが不在の状況となり、攻撃が停滞した。二川は「高さがない分、スペースを突いたり個人の仕掛けをやっていかないといけなかった。もうちょっと、自分で行くべきだった」と語った。

 そして、今後に向けて「今日は、そこまでプレッシャーを受けてもらうのが少なく多少、余裕があった部分もあった。もうちょっと、プレッシャーがあるところで出来るかは、まだ分からない。練習からしっかりやっていきたい」と気を引き締めた。【村上幸将】