J1ベガルタ仙台は26日、元日本代表のFW平山相太(32)が現役引退を決めたことを発表した。

 平山は昨季、東京から仙台に移籍。開幕直後の昨年2月26日、練習で左くるぶし付近の腱(けん)を脱臼し、全治3カ月の大ケガを負った。シーズンの公式戦出場はなく、全体練習に復帰した昨年12月、再び左足を痛め、年明けから始まった沖縄キャンプには帯同していなかった。

 平山はクラブを通じて「度重なるけがのため。現役から退き、引退することを決断いたしました。開幕前の大事な時期にクラブに迷惑をかけてしまうことを申し訳なく思っています」とコメントした。

 身長190センチと大柄ながら足元の技術にも優れた選手で「怪物」と称され、長崎・国見高時代から将来を嘱望された選手だった。

 なおクラブが発表した平山のコメント全文は次の通り。

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 度重なるけがのため、現役から退き、引退することを決断いたしました。まず、開幕前の大事な時期にクラブに迷惑を掛けてしまうことを申し訳なく思っています。また、決断を尊重してくれたことに感謝しています。1年という短い期間でしたが、監督、スタッフ、選手、ベガルタ仙台に関わる全てのみなさまから親切にしていただき、クラブの一員だと実感できました。そして、もっともっと強く成長していくクラブだと確信しており、ファン、サポーターのみなさまにはこれからも応援していただき、温かく見守ってほしいと思います。

 11年間在籍しましたFC東京には、自分の家のような感覚を持っています。喜び、楽しさ、悔しさ、悲しみ、たくさんの思い出があります。多くの方々との出会いも宝物です。2010年にJ2降格が決定し、絶望感の中にいる状況でも応援し続けてくれたファン、サポーターのみなさまの言葉が今でも忘れられません。これからもFC東京は強くなり、大きくなると思っています。

小学生からサッカーを始め、小倉東サッカースポーツ少年団、ながながSC、田原中学、国見高校、筑波大学、現在までご指導いただいた方々のおかげで今日までプロサッカー選手としてプレーすることができました。今でも先生方、監督は自分の憧れ、夢、目標です。ご指導いただきありがとうございました。

 最後に、どんなときも笑顔で支え続けてくれた妻と子どもたち、15歳で家を出て心配ばかりかけてしまった両親に心から感謝しています。本当にありがとう。これからもよろしくお願いします。

13年間たくさんのご声援、本当にありがとうございました。(原文のまま)

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 平山は国見高から筑波大へ進み、卒業後にオランダ1部ヘラクレスでプレー。2006年に帰国し、FC東京、仙台に在籍した。

 プロ成績は、J1リーグ戦通算168試合33得点、J2リーグ戦通算1試合出場、天皇杯26試合15得点、ACL3試合出場。オランダ1部リーグ32試合8得点。

 代表歴は、2002年~2005年にU-18、19、20日本代表(※2003、2005年 FIFAワールドユース選手権出場)。2003年~2008年にU-21、22、23日本代表(※2004年アテネ五輪出場)。日本代表では国際Aマッチ4試合3得点。