左足首ねんざで出遅れていたJ1磐田MF駒野友一(26)の開幕先発が見えた。6日の練習で完全合流を果たすと、右サイドから正確な鋭いクロスを連発。日本代表の実力を随所に見せつけ、周囲を圧倒した。午後の練習からは今季の自身の色という“黄金スパイク”を履いて練習参加。9日の開幕柏戦へ、心身ともに準備が整ってきた。

 駒野の右足が、黄金色に輝いていた。「今年の色」という金地のスパイクでピッチに立った午後の練習。右サイドから正確なクロスを何本も送り、強烈なミドルシュートも決めた。MF西から「さすが黄金のスパイク!」と冷やかされると照れた。左足首ねんざで、ようやく完全合流できたこの日。最後には左足でキック練習も行い「足の方で自信も出てきたし、不安も取り除けてきた。しっかり準備したい」と開幕へ、自らゴーサインを出した。

 開幕まで3日。痛みは大丈夫か、連係や実戦感覚は間に合うのか-。そんな不安を、正確無比なクロスで一蹴した。午前のサイドからのシュート練習では、何度も前線に「点」で合わせた。バウンドさせない丁寧で速いボール。FW中山や西が「ナイスボール!」と絶賛し、外した選手は「ごめんなさい」と思わず謝った。「バウンドするクロスは、自分にとってうまくいっていない時。軸足の(左足の)感じも良くなってきている」とうなずいた。

 前日に「そろそろ切り時だった」と散髪して、気分もスッキリした。広島時代の05、07年で全試合に出場しているだけに「開幕から出て、最初からサポーターに(自分のプレーを)見せたい思いがあった」。準備は万端。磐田の右の翼が、間に合った。【今村健人】