<J1:横浜2-1札幌>◇第2節◇15日◇札幌ドーム

 三浦札幌が痛恨の逆転負けで開幕2連敗となった。ホーム開幕戦は後半7分にFWダビ(24)のゴールで先制したが、試合終了間際の同41、42分と立て続けに失点し1-2と逆転負け。本来ボランチのクライトン(30)をFWで初先発させ攻撃の形はつくったが、鹿島戦と同じようにセットプレーからの失点がきっかけで守りが乱れた。札幌はJ通算400試合の節目を白星で飾れなかった。

 残り5分で勝ち点3が1どころか0に変わった。「取らなければいけない勝ち点を、いとも簡単に失った印象があり悔しい。守備は(開幕鹿島戦から)2戦ともセットプレーで失点した。当然、一番の課題だと思っていい」。6季ぶりとなるJ1でのホーム開幕戦を勝利目前で逃がした三浦監督の目は、真っ赤に血走っていた。

 クライトンを“フリーマン”とし、前線からボランチまで自由にプレーさせる奇策がはまった。後半7分、クライトンからのクロスをゴール前のMF藤田が胸で落とし、最後はダビが右足でゴール左隅にたたき込んだ。アジア王者の浦和でさえ開幕戦無得点に抑えられた横浜の堅守をこじあける、待望のJ1復帰1号。これで一気に流れに乗るはずだった。

 落とし穴はセットプレーだった。終了間際の後半41分、横浜MF山瀬功の右CKがゴール前に走りこんだFW大島の頭にどんぴしゃ。日本代表DF中沢だけは吉弘がマンツーマンでマークしていたが、飛び込んでくる大島は完全にフリーになっていた。「中沢以外が頭から抜けていた。勝てる内容だったのに、あの1本で台無しになってしまった」とDF坪内は肩を落とした。

 同じ失敗の繰り返しだった。開幕鹿島戦も後半5分にCKから失点。鹿島FW田代に意識が集中しすぎて背後の新井場にヘッドでゴールを奪われた。その後、DFラインがずるずる下がり始め、がら空きになった中盤を支配され大量4失点となった。今回も、追いつかれてからラインが下がりだした影響で、MF山瀬功にペナルティーエリア付近でシュートを打たれ、こぼれ球に詰めた大島に逆転ゴールを許した。

 だが、まだ2試合が終わったにすぎない。再三の好セーブを見せたGK佐藤は「後半の立ち上がりは集中できていた。最後はセカンドボールが拾えず、ラインが下がった。終盤の戦い方が次への課題」と前を向いた。DF平岡も「悔しいけど得るものはあった」という。V候補相手につかんだ自信と課題-、1つずつクリアすれば勝利は近づいてくる。【永野高輔】