U-23(23歳以下)日本代表に初選出されたコンサドーレ札幌のGK佐藤優也(22)が、代表生き残りを反町監督に強烈アピールした。24日から都内で始まったアンゴラA代表戦(27日、東京・国立)に向けた合宿に初参加。約30分のシュート練習で堅守を披露した直後に、得意のPK練習では7本中3本を阻止するなど好調ぶりを示した。アンゴラA代表戦の出場、さらに8月の北京五輪出場へ幸先の良いスタートを切った。

 高い集中力を保ち、佐藤が存在感を示した。合宿初日に実施されたPK練習。開幕戦で好調鹿島のMF小笠原も止めた守護神が、いきなり本領を発揮した。3人目に興梠のキックを左に飛んで止めると、続く岡崎のシュートも鋭い反応で左へ動いてはじき出した。「初練習で硬くなったけど、PKは得意なんで」。自信に満ちあふれたプレーぶりに見つめた首脳陣からも「ナイス!」の声が飛んだ。結局、7本中3本を阻止。PKは佐藤のために用意された舞台だった。

 練習開始前の円陣では反町監督に促されて選手、スタッフの前で自己紹介した。「名前を覚えてもらおうと思って。普通の自己紹介ですけど」。照れくさそうに振り返ったが、プレーぶりは堂々としたものだった。この日は前日(23日)の試合に出場しなかった選手を中心に、フルメニューをこなしたのは佐藤を含め6人。A代表経験もあるライバル西川が別メニューの中、シュート練習では再三の好セーブを見せ、リーグ戦最下位の札幌から代表に選出された理由をプレーで証明した。

 市船橋高では同代表でも主力としてプレーしてきた磐田FWカレンと同期。代表に初選出された直後に電話で祝福されたという。「『硬くならずに頑張れよ』と言われました。ふざけた電話でしたけどね」。普段から連絡を取り合う同期からのお祝いは心からうれしかった。「アイツが(五輪代表として)試合に出ていたときは刺激を与えてもらっていたし、今度はオレが刺激を与えたい」。故障に苦しむ同期の激励も含め、アンゴラA代表戦での活躍を誓った。

 もちろん視線の先には北京五輪本大会、さらにはA代表まである。「北京?

 もちろん意識してます。それに残れるようアピールしたい。だけど目標はA代表なんで(五輪は)通過点です」。札幌で見せる、思い切ったプレーを武器に佐藤が目標達成への第1歩を踏み出した。【岡本学】