記念の一戦でダビが復活ゴールを誓った。コンサドーレ札幌は12日、札幌ドームに12位磐田を迎え撃つ。チームのJ1リーグ通算100戦目となる試合に、FWダビ(24)が3試合ぶりに先発復帰する。左太もも裏の筋挫傷に風邪も併発し戦列を離れていたが、10日の実戦形式の練習で軽快な動きを見せ、復調を示した。過去J1で札幌が挙げた28勝中、20試合で外国人が得点している。エースがゴールを決め、メモリアル試合を飾る。

 札幌にとってJ1リーグ戦100試合目、しかもホームで負けるわけにはいかない。3試合ぶり復帰のダビは、何をすべきか熟知していた。「連敗したこの2試合、得点を取れていないから。自分が点を取って、チームに貢献したい」と磐田戦でのゴールを自らに課した。

 左太もも裏の筋挫傷に加え、発熱とせきを伴う風邪を発症し、2試合欠場した。床に伏しながらも、試合はテレビでチェック。「失点はよく練習していることと同じケースでのものだった」と、悔しい思いで画面を見つめていた。動きたくても動けなかったうっぷんを、晴らすときがきた。

 10日の札幌・宮の沢での実戦練習では、中山とレギュラー組の2トップを組み、軽快かつ激しい動きを随所に見せた。「体調はばっちり」と言うように不安はない。見守った三浦監督も「問題ない」と出場へゴーサインを出した。

 ダビの出来が勝敗の行方を左右する。過去J1で札幌が挙げた28勝中、外国人が得点した試合は20試合、FWの得点に限っても17試合に及ぶ。三浦監督が「外国人ストライカーが点を取るか否かが勝利の分かれ目」と言うJリーグの現況からいえば、札幌が浮上するにはダビの爆発は不可欠になる。

 外から試合を見たからこそ、分かったこともあった。「要は集中力。相手をもっと意識してやらないと」とチームの弱点を指摘した。その思いは前線からの激しいチェックや、ゴールに向かう姿勢など、ピッチで仲間に伝え、チームを鼓舞していく。「最大限の力を発揮したい」。今季の得点は3月15日横浜戦での1点のみ。しかもその試合は逆転負けを喫した。メモリアル試合での一撃は空砲になどしない。【砂田秀人】