<J1:大分2-0東京V>◇第12節◇10日◇九石ド

 今年はホームで強いぞ。大分が、九石ドーム通算100試合目(J2時代を含む)を2-0で完勝し、ホーム3連勝を飾った。後半2分、今季初ゴールで均衡を破ったMFエジミウソンは「選手、サポーターが自信を深めるのにホーム3連勝は重要だった」。試合後、おもちゃの刀を使ったパフォーマンスでサポーターの喜びは最高潮に達した。

 家族愛に満ちた勝利を飾った。前半からエジミウソン、ホベルトのダブルボランチと3バックで東京Vのブラジル人トリオを徹底マーク。守備でリズムをつかむと、後半開始直後のチャンスをエジミウソンが確実に決めた。「相手が詰めてこなかったのでGKをかわすのが得策だと思った」。MF金崎のクロスのクリアボールを足元に納めた後、コースを見極めゴール右上へ。ゴールを見届けるとベンチ前に走り、5日に長女が誕生したMF西山にささげる「ゆりかごパフォーマンス」を仲間と披露した。

 家族、仲間を思う気持ちは人一倍強い。今年2月の宮崎キャンプ中に家族が急病になり、ブラジルへ帰国。現在は“単身赴任中”だが、自分を気遣う選手が代わる代わる夕食に付き合ってくれたことにエジミウソンは感謝していた。出産のため夫人が帰省した西山とは最近、毎晩のように夕食を取っていた。「チーム全体が1つの家族という認識でいる。(MF西山)哲平の娘さんが生まれ、我々の家族がまた1人増えたことを喜びあえてよかった」と笑顔でまくしたてた。

 これまでJ1でホーム試合を勝ち越したことは04年だけ。それもわずか貯金1だったが、今季は4勝1敗1分けと高勝率を上げている。しかも東京V戦は5年ぶりの勝利だった。「相手にここ(九石ドーム)でやる試合は楽でないという印象を与えられた。これからもサポーターの力を借りて勝ちたい」とエジミウソン。家族愛に満ちたホーム九石ドームでの「大分劇場」が今年は熱い。【村田義治】