みちのくダービーが「アントラーズ代理戦」になる!?

 J2仙台の2トップ、中島裕希(23)と平瀬智行(30)が18日の山形戦で相手DFライン「青い壁」を切り崩す。ここ8戦無得点の中島は15日、サブ組に交じっての2部練習を敢行しシュート感覚を磨いた。03、04年に鹿島で同僚だった平瀬も、相棒のゴールに一役買う。

 眠れるエースに、明るさが戻った。「週初めに比べたら(シュート感覚が)良くなっている。あとは試合で出せれば」。充実の午後トレを、中島はそう振り返った。無心で蹴り続けた1時間半。「思い出した。昔を。(鹿島時代の)セレーゾ監督が声を掛けてくれて、よく居残りでシュート練習してました。気持ち良かった」。取り戻したシュート感覚が、疲れを忘れさせた。

 相棒の復活劇演出に平瀬も協力する。「オレがつぶれ役になって、できたスペースにアイツが飛び込む。得点して勝てれば最高。動きは悪くない」。3月23日のC大阪戦を最後に、8試合27本の“空砲”を打ち続ける中島に「ゴールを取ってほしい」の空気がチーム内に充満している。その声に中島は「ありがたい。普通は(先発を)外されてる。監督にも感謝しているし、次こそ決めたい」と得点で報いる構えだ。

 山形の最終ライン「青い壁」の一角を担うDF石川もまた03、04年に鹿島で同僚。平瀬は「マークしてくれれば、スペースができて周りの選手を使いやすい」と対戦シーンをイメージ。中島も「スライディングしてきたら、よけるくらいの余裕をもってやりたい」と笑う。ピッチを離れれば仲のいい石川の左サイドを崩し、忘れかけていた感覚を取り戻す。【山崎安昭】