<J1:G大阪3-2浦和>◇第13節◇17日◇埼玉

 日本代表のG大阪MF遠藤保仁(28)は、途中出場した浦和戦で約22メートルのミドル弾を決めた。J1は18日の2試合を最後に一時中断。日本代表メンバーは、W杯3次予選4試合が集中開催される6月に向けて、集中していく。

 クールな男が、右腕を天に突き上げた。真っ赤に染まった埼玉のスタンドが静まりかえる。G大阪のMF遠藤が、一撃で浦和の独走にストップをかけた。2-1の後半23分だ。「GKの位置とDFの寄せを見て打った。あれがベストだと思う。焦らず冷静に蹴られた」。約22メートル。鮮やかなミドル弾が、ゴール右隅に吸い込まれた。

 この日朝、宿舎で西野監督の部屋に呼ばれ、ベンチスタートを告げられた。右の太もも裏、内転筋の違和感、左足甲の打撲と満身創痍(そうい)ではあった。しかし、リーグ戦では06年12月3日、くしくも同じアウェー浦和戦以来、実に46試合ぶりの屈辱。「途中からなら、その役割がある。気持ちを切り替えた」。後半14分からの出番で、大仕事をやってのけた。「普通の試合と違って、ここで勝つと大きな喜びがある」。チームをV戦線に踏みとどまらせる貴重な白星。20日からの日本代表合宿は、晴れ晴れした気分で乗り込める。