J2山形が「天敵」を迎撃する。8日の鳥栖戦(NDスタ)で、昨季J2日本人得点王(24点)の鳥栖FW藤田祥史(25)と今季初対戦。06~07年の2年間で計5得点を決められた相手エースを封じ、持ち前の守備力の高さを証明するつもりだ。今季開幕戦では、藤田が負傷欠場した鳥栖に0-1で敗退。3カ月ぶりの雪辱と、今季最多の4連勝を目指す。

 「青い壁」と呼ばれる山形守備陣。その真価が問われる時が来た。藤田は右足骨折のため、今季第5節まで欠場。それが復帰以降の12試合で6得点を稼ぎ、エースの座を奪い返した。勝負のポイントは明白だ。この日の山形の守備練習では、相手2トップの藤田と金を想定。4バックとボランチが連係し、相手のパスをカットしたり、体を寄せてシュートを防いだ。

 藤田の山形戦での活躍を目の当たりにしてきたDFレオナルドは「落ち着いて普段通りのプレーをするだけ。藤田を怖いと思ったらマイナス」と平常心を強調した。センターバックでコンビを組む石井は「藤田さんにボールが渡る時に、競ることが大事。トラップをうまくさせない」と対策を口にした。右サイドバックの宮本も「大学の時(関西大学リーグ)から点を取っていた。頭に入れて、いつも見ておくようにしたい」と警戒した。

 山形は最近5試合で15得点、前節の横浜FC戦では今季最多5得点と攻撃陣が好調。だが、その横浜FC戦ではセットプレーから簡単に2失点し、守備陣にスキが生じている。小林監督は「藤田にロングパスが放り込まれることが多い。守備選手がしっかり戦って、ほかの選手がカバーすること」とポイントを説明した。藤田を抑えることが、3試合ぶり完封勝利のカギになる。【柴田寛人】