<J2:甲府1-0山形>◇第21節◇21日◇NDスタ

 2位の山形は1カ月ぶりの黒星で連勝は6でストップ。甲府戦で4試合ぶりの失点を喫し、最近8試合で24得点の攻撃陣も沈黙し、0-1で敗れた。5月3日広島戦以来の完封負けで3位に後退した。

 相手右CKでのマークミスが致命傷になった。前半21分。フリーの甲府MF林に頭で決められた。DFレオナルドは悔しさのあまりユニホームをかむ。GK清水はボールの行方を指でしか追えなかった。先制されたのは5試合ぶり、そして何より自軍ゴールネットが揺れたのは4試合、322分ぶり。焦りが、その後のパスやシュートの精度に影響した。9試合ぶりに完封された屈辱をかみしめる、控室へ続く無言の列ができた。

 MF宮沢主将は「相手の方が体を張っていた。執念があった。それ以上のプレーをしたかった」と肩を落とした。5月18日の仙台戦で逆転負けした屈辱をバネに、チームタイ記録の6連勝。前節の仙台との雪辱戦に3-0で完勝し、チームに油断が生じたのかもしれない。それは小林監督も、うすうす感じていた。「若い選手が多いので、ちょっとした自信が過信に変わったかも」。短い芝が雨でぬれ、球足の速いボールにてこずった。技術的にも課題が見えた一戦だった。

 ただ、まだ2位から3位に落ちただけのこと。J1昇格圏にいることは変わりない。「負けたことでリセットして、もう1回やり直す」と指揮官が前を見据えれば、MF佐藤も「失点は次の反省に生かす。もっと高いパフォーマンスを身に付ける」。敗戦の“涙雨”に打たれながらも、チーム全体が次節湘南戦に向けて、気合を入れ直していた。【柴田寛人】