<J2:仙台0-0熊本>◇第22節◇25日◇ユアスタ

 仙台は最下位熊本相手に今季初のスコアレスドロー。圧倒的にボールを支配したが引いて守る熊本を崩せず、5位に後退した。

 打てども、打てども入らない。相手を5本上回る15本のシュートを浴びせたが、最後までゴールネットを揺らせなかった。枠を外しては中島が天を仰ぎ、GKの正面を突いては平瀬が両手で顔を覆う。最終ラインとボランチ2人で徹底的に守備を固める熊本の策に、まんまとはまった。

 手倉森監督の弁は、まるで敗軍の将のそれだった。「1点も取れず、また勝ち点も伸ばせず残念。決定力が課題。ただ(自陣の)ゴールのバーをたたかれたことを考えれば、失点しなくて良かった」と淡々と語った。前半21分に、相手の左CKから打たれた2本のシュートは、立て続けにバーに救われた。最下位相手の試合で、指揮官は肝を冷やさなければならなかった。

 ここまで8戦未勝利の最下位相手のドローなど、昇格圏入りを目指すチームにあってはならないこと。0-3で完敗した15日の山形戦で、痛い思いをしてはい上がったはずが、この結果だ。6試合を消化した第2クールで、いまだ連勝もなく順位も5位に後退。毎試合聞く「クロス、シュートの決定力が課題」という指揮官の言葉。シーズン最後まで、繰り返してしまうのか。【山崎安昭】