<J1:東京V2-1東京>◇第22節◇23日◇国立

 東京Vの日本代表FW大黒将志(28)が、国内リーグで1056日ぶりの得点を決めた。先発した東京戦の後半16分、MFレアンドロのパスを受け右足で同点ゴールを奪った。6月末にセリエAトリノから東京Vへ完全移籍。チームで結果を残す前に代表復帰も果たしたが、移籍6戦目でようやく初得点を挙げ、チームの逆転勝利へつなげた。9月6日から始まる日本代表のW杯アジア最終予選へ弾みをつけた。

 東京V、そして日本代表にとって待望のゴールだった。大黒にとって初の東京ダービー。後半16分、MFレアンドロのパスに抜け出すと、東京GK塩田の動きを冷静に見極めてから右足でチョコンと浮かせ、同点ゴールを流し込んだ。「GKが出てきたんでタメて浮かせました。狙いどおりのシュートです」。移籍初ゴールを待ち望んでいた東京Vサポーターへ走り、喜びを爆発させた。

 6月30日に出場機会を求めると同時に日本代表復帰を目指して約2年7カ月ぶりに国内復帰。海外挑戦中には、試合に出られないもどかしさと、満足な結果を残せない悔しさがあった。ただ、決してマイナスには考えなかった。「残念だったけど、くさることなく練習はしっかりやってました」。プレッシャーの厳しい海外で、ボールを受けてからできるだけ速くシュート、そしてパスするテクニックを磨いた。

 7月末には代表候補合宿に招集され、今月20日の親善試合ウルグアイ戦ではW杯ドイツ大会以来約2年2カ月ぶりに復帰。チームでは結果が出ていなかったが焦りはなかった。「途中出場3回と先発も今日で3回目。冷静でした」。チームでは高木コーチ指導の下、欠かさずにシュート練習をこなしてきた。「自分のやり方でやれば必ず点は取れる」。持ち前の動き出しの早さに一段と磨きをかけ、コンディションを上げることに専念してきた。

 国内リーグ戦のゴールはG大阪時代の05年10月2日の清水戦(日本平)以来1056日ぶり。21日にマネジメント事務所幹部の親族が他界したが、直後の試合でゴールをささげた。27日の浦和戦を挟んで9月からは日本代表のW杯アジア最終予選もスタートする。「(ウルグアイ戦で)失敗したシュートも練習で修正してます」。岡田ジャパンのエースに昇格すべく、大黒はさらに調子を上げていく。【岡本学】