<J2:仙台3-0福岡>◇第34節◇7日◇ユアスタ

 夏休みは終わった、さあ奇跡の逆転昇格だ!

 J2仙台がFWナジソン(26)の移籍初ゴールなどで3点を奪い2カ月ぶりの勝利。長いトンネルから抜けた。MF梁勇基(26)が先制。ナジソンの追加点に、後半ロスタイムにはMF千葉直樹(31)の今季初ゴールでダメを押した。手倉森誠監督(40)も非情采配で執念を見せた。

 久しぶりにスタジアム中が、笑顔で試合終了を迎えた。開始早々、MF関口からのクロスに、梁が迷わず右足を振り抜いた。幸先いい先制点でスタジアムが沸く。なお攻撃の手を緩めない。前半19分には右CKをナジソンが頭で合わせた。追加点を奪ったナジソンは指揮官のもとへダッシュ。豪快に跳びついて、喜びを爆発させた。

 残り12試合で奇跡を起こすには、勝利しか許されない状況だった。ナジソンは「自分のゴールより勝ち点3を取ったのが大事。次はハンドでも何でも、また点を取って勝つよ」と勝利の余韻に浸った。梁は「我慢しないといけない(時期)と思っていた。今日は勝ったけど、次に勝たないと意味がない」と、紅潮した顔で語った。

 6月11日の横浜FC戦以来の本拠地勝利。自然と上がった選手のテンションを指揮官が締めた。「ロッカー室で『浮かれるな』と話した。初めて交代選手に交代も出した。終盤になってもっと(試合運びが)厳しくなるのに。気分が悪い」と語気を強めた。途中出場の田中を、本来の動きではないと見て、ベンチに下げる非情采配まで見せた。一歩前進の5位浮上で、3位湘南とは勝ち点3差。夏休みを終えたベガルタが、逆襲に転じる。【山崎安昭】