<J2:広島3-2C大阪>◇第38節◇28日◇長居

 広島が3-2とC大阪に競り勝って勝ち点を84に伸ばし、6試合を残して優勝を決めた。同59の2位湘南、3位山形が残り7試合に全勝しても届かない。前節23日に日付の上で最速J1昇格を果たしたのに続き、04年10月2日の川崎Fを更新する「最速V」も達成した。C大阪は今季広島に3戦全敗で、J1復帰へがけっぷちに追い込まれた。

 試合終了と同時にペトロビッチ監督は控えめにガッツポーズした。J1昇格を最速で決め、J2優勝も最速。FW佐藤寿がFW久保の持つチーム最多得点に並ぶ70得点目も決めた。「このチームの監督であることを誇りに思う」と言った。

 昨季はタレントぞろいのチームをJ2に落とした。だが当時の久保社長(現会長)は独断で監督続投を決断。同時に主力の大量流出阻止へ自ら動いた。監督も「(昨季は)選手起用で固定観念に縛られすぎた」と反省。昨季J1監督で63・7%と交代枠使用を最も控えた指揮官が、今季はここまで90・7%と激変した。

 06年にシーズン途中に15位でバトンを受け10位フィニッシュ。07年は若手育成に専念して降格したが、08年にJ1復帰。そして来季-。続投は決定的で「G大阪や浦和、鹿島とまたやれるのか…」。監督の視線は既にJ1の舞台をとらえていた。【佐藤貴洋】