J1逆転昇格へ弾みをつける!

 J2鳥栖は12日、天皇杯3回戦(佐賀)でJFL首位のホンダFC(静岡)と対戦する。カテゴリー上では格下だが、昨年Jリーグ勢3チームを連破したアマ最強軍団との一戦に、選手は「リーグ戦と同じように戦う」と油断なし。C大阪(19日・佐賀)広島(25日・広島ビ)戦と続くJ1昇格争いに勢いをつなげる快勝を狙う。

 勝利の向こうに、J1昇格の扉が広がる。今月、リーグ戦の正念場となるC大阪、広島戦を控える鳥栖にとって、ホンダFC戦は単なる天皇杯の1試合ではない。同じ佐賀県総合運動場で1週間後に行われるC大阪戦を前に「(リーグ戦に向けても)弾みをつけたい」とDF飯尾。勝ち星を落とせないリーグ戦に勢いを加速させるためにも、負けられない一戦だ。

 アマ相手に油断もない。岸野監督が「天皇杯(でのJ倒し)が、チームの一大イベントになっている」と警戒するホンダFCのように、プロと対戦するアマのモチベーションの高さを肌で知る選手が多いのも鳥栖には強みだ。03年度に鳥栖が敗れた沖縄かりゆしに所属していたのが飯尾で、DF高地はその翌年にFC琉球で山形と対戦。延長Vゴールで惜敗したが「プロ対アマ」の図式が肩書通りの結末にならないことを体験している。「ホンダFCが毎年強いのは分かっている。カテゴリーは下だが、リーグ戦と一緒のように戦っていきたい」(高地)と気を抜く気配はない。

 DF谷田は昨年、JFLのアローズ北陸でホンダFCと2度対戦し、その怖さを肌で知っている。「攻撃陣は一発を持っている。向こうよりも走って、プレッシャーをかけたい」。アマチュア相手にも雑草魂を失わない鳥栖が、ホンダFCを返り討ちにする。【村田義治】