磐田MF西紀寛(28)が攻撃的切り札としての意地を見せる。リーグ戦から先発10人を入れ替えて臨む見込みの、明日2日の天皇杯栃木SC戦(ヤマハ)で、西が127日ぶりに公式戦出場を果たすことが10月31日、確実になった。与えられるポジションは、06年以来2年ぶりの右サイド。だが「天皇杯は、そんなに簡単に初戦で負けていい大会じゃない。ポジションはどこでもいい」と決意した。

 腰痛から復帰後3試合こなした練習試合では、サイドバックを含めていずれも右。「感覚を戻すため、できるだけ長い距離を走らせたい」とするオフト監督の意向だった。栃木SC戦についても、実質の指揮を執る柳下コーチは「状態は上がっている。ただ、オフトはまだだと思っている」ことで「右」になりそうだ。

 復帰後はまだ、1度もリーグ戦メンバーに入っていない。自動降格圏の17位に低迷し「10年いるチームが苦しんでいる。落ちるのは見たくない」という気持ちの中、力になれないもどかしさがある。だが「オフトは西の良さを分かっている。リズムを変えられる選手だから」と柳下コーチは、オフト監督も待ち望んでいることを明かす。栃木SC戦は西にも、磐田にとっても重要な一戦となる。【今村健人】