紫のエースが燃えている。13日の国際親善試合シリア戦(ホームズスタジアム神戸)、19日のW杯アジア最終予選カタール戦(ドーハ)に挑む日本代表に招集されたJ2広島FW佐藤寿人(26)が、同予選ウズベキスタン戦(10月15日)ベンチ外のうっぷんを晴らす意気込みだ。7日の練習後「この歳では出場しなければ意味がない」と断言。自身初の代表戦スタンド観戦に終わった雪辱を誓った。

 同予選は佐藤寿にとって、試練続きだ。初戦の敵地バーレーン戦は2-0の後半途中から出場してチーム3点目を陰ながら演出したが、その後にまさかの2失点。失点場面のみがクローズアップされ、交代選手として批判対象にもなった。そしてウズベキスタン戦はベンチ外に。

 おまけに代表合宿中は、中盤の右での起用が続いている。左利き選手を右サイド起用する傾向のある岡田監督ならではの“配置”だが、寂しさは募る。「得点力を期待されていたと思っていた。やはりFWとして出場したい」。J2得点ランク首位独走の得点能力を証明することなく終わった悔しさが、ストライカー魂に火を付けた。

 自身初のW杯出場へ。佐藤寿が代表生き残りに挑む。同予選はベンチ入り18人も、岡田ジャパンは25人の大所帯だ。ACLを控えるG大阪勢と欧州組はシリア戦後の合流予定だけに「まずはシリア戦で結果を出したい」。屈指の得点嗅覚(きゅうかく)を持つ佐藤寿が、シリア戦で“代表定着弾”を狙う。【佐藤貴洋】