名古屋FWフローデ・ヨンセン(34)の今季限りで退団が決定的となったことが19日、分かった。06年7月下旬に名古屋加入。当時15位と低迷していたチームを高さと献身的なプレーで救い、今季までリーグ3年連続2ケタ得点をマークするなど、J1屈指の外国人FWとして活躍を続けてきた。今季で名古屋との契約が切れるため退団し、他のJ1クラブへの移籍が濃厚とみられる。

 ヨンセンが今季限りで名古屋を去ることが決定的になった。名古屋でのプレーは、最大でもリーグ3試合と天皇杯決勝まで勝ち上がった場合の3試合、残り計6試合で見納めとなりそうだ。

 母国ノルウェーのメディアが18日(日本時間19日未明)、今季限りでの名古屋退団と他のJ1クラブ移籍を報じた。去就について、ずっと「ノーコメント」を貫いてきたヨンセンは、この日も日刊スポーツの取材に対し「ボクは何も話すことはできないんだ」とコメントしたが、母国での報道の事実については「多分そうなる」と否定しなかった。

 名古屋加入3年目を迎えるヨンセンは最前線で長身と巧みな技術を生かし、ターゲットマンとして君臨。優勝争いするリーグでは、今季31試合すべてに先発しチームトップの11得点とチームをけん引してきた。8月には日韓のリーグ選抜選手によるオールスターにも同僚のGK楢崎とともに選出され、J選抜の一員として先発出場した。3年連続2ケタ得点の優良外国人として名古屋の助っ人史に名を刻んだ。

 一方で来季は35歳。若返りを推進しストイコビッチ監督のもと、さらに高みを目指すクラブ側はここまでエースの去就を慎重に判断する姿勢をみせている。両者は9月中旬に会談を持ち来季契約については、他の選手と同様にJリーグ規約にのっとり11月末の通達を基本線とすることを確認済みだ。

 サポーターからも愛された優良助っ人は、2得点で勝利の立役者となった15日の天皇杯大宮戦後、去就について「ノーコメント。今はプレーに集中させて下さい」と悲願リーグ制覇に集中する姿勢を強調している。残るリーグと天皇杯の2冠達成を置きみやげに、チームを去ることになりそうだ。

 ◆フローデ・ヨンセン

 1974年3月17日、ノルウェー・シーエン生まれ。99年にオッド・グレンランドで同国1部リーグデビューし、00-01年からは国内随一のビッグクラブ・ローゼンボリで活躍。同国1部リーグ通算180試合92得点で01年には得点王に輝いた。ノルウェー代表でも活躍し国際Aマッチ32試合10得点。名古屋には06年途中に加入。リーグ17試合10得点とゴールを量産。J1通算74試合34得点。背番号は9。186センチ、79キロ。家族はメッテ夫人と長男オスカー君。