J2仙台の高卒新人DF島川俊郎(18)が、指揮官の目に留まった。鹿児島キャンプ5日目の31日、200~800メートルの中距離走の一部メニューでチーム一の健脚、MF関口訓充(23)に走り勝った。島川は「(関口とのトップ争いに)かなわないっす」と謙虚だったが、手倉森誠監督(41)から「あんなに速いとは。持ってる才能が素晴らしい」と評価された。

 島川は柏U-18出身。元Jリーガーの吉田達磨監督(34)から厳しい指導を受けたが、島川は「ボールを使わない単純な素走りって実は初めて。何で速かったのか分かんないっす」と不思議顔だ。そんな原石の原動力は、昨夏に味わった悔しさ。柏U-18から島川を含む9人がプロに進み、うち6人が柏のトップに昇格し島川は漏れた。「悔しかったけど、ベガルタのポゼッション(ボールを保持して主導権を握る戦術)サッカーの方が自分に合っている」と今は切り替え「同期とJ1で対戦したい」とJ2から、はい上がる。

 今キャンプでは、昨年10月に仙台の練習に参加した時から慕う渡辺広大(22)と行動をともにし、心構えを学んでいる。1日からはJ新人研修(静岡)でチームを離れるが「帰ってきた時に、ついて行けるか心配。研修中も走り込まないと」と初々しく話した。【木下淳】