昨年12月に左ひざ半月板の内視鏡手術を受けたJ1清水のGK山本海人(23)が4日、チーム今季初の対外試合で「ドッキリ復帰」を果たした。静岡・三保のグラウンドで行われた流通経大との練習試合で、開始20分前にスタッフから「先発」を告げられて、急きょ出場。違和感の残るひざの状態を確認しながら、45分間を無失点に抑えた。早期復帰を期待する長谷川健太監督(43)ら首脳陣の気遣いを意気に感じ、自身初の開幕戦スタメン出場を今後の目標に掲げた。

 山本は驚いた。だが、うれしかった。ファンやマスコミ、クラブ関係者も注目する今季初の対外試合。その1本目のゴールマウスを自分が任された。昨年12月24日のクリスマスイブの手術から、まだ1カ月半しかたっていない。「クラブハウスの外に出る5分前でした。トレーナーが『準備しないの?』って。ボードを見たら僕の背番号が書いてあった」と打ち明けた。

 左ひざの奥には鈍い痛みが残っている。フィジカル練習で部分合流は果たしていたが、先週はひざにたまった水を注射器で抜いた。そんな不完全状態でも、張り切ってプレーできた。シュートは来なかったが、ハイボールのクロスを難なくキャッチした。「DFラインの連係とか最初にしては取れていた。(186センチで新加入の)ヨンセンは、キックのターゲットになりますね」。外からでは分からない発見もあった。

 今後の目標は明確に定まった。04年のプロ契約以来、まだ1度もない開幕戦の出場だ。最高の発奮材料を与えた長谷川監督も「海人?

 問題なかったですね」とにんまり。燃える山本は「開幕戦に出たい。今年は僕がチームを引っ張っていきたい」と声を弾ませた。