磐田MF太田吉彰(25)が定位置奪還へ猛アピールを見せた。鹿児島キャンプ5日目となった12日、初のフルコートでの紅白戦(25分×2)にフル出場。控え組での出場となった1本目で、ゴールを決めて2本目は主力組に昇格した。昨年4月に右ひざ前十字靱帯(じんたい)を損傷し、シーズンを棒に振った。けがも完治した今季は、あこがれのポルトガル代表MFのC・ロナウド(24=マンチェスターU)のように、縦横無尽にピッチを駆け回り、チーム再建の救世主になる。

 MF太田がピッチで輝いた。控え組スタートとなった紅白戦で、MF松浦の左クロスに鋭く反応。右サイドから逆サイドへ、主力組DF那須も気づかぬ速さで、中央へ突っ込み頭で合わせた。「タイミングよく入れた。控え組スタート?

 いい刺激になる。どっちで入ってもやることは同じ」。腐ることなく結果を残し、2本目では主力組で出場した。

 あこがれのC・ロナウドを見本とする。「少しでも近づくために常に意識している。髪形も意識?

 正直そう」。試合は常に最新の映像をチェック。同選手と同じように、頭の横を刈り上げソフトモヒカンにするほど。昨季現役引退した名波浩氏(36)が東京Vに移籍した07年に7番が空き番号になると、C・ロナウドと同じ番号だということで、自ら申し出た。

 右ひざ前十字靱帯損傷した昨季から、原点回帰を誓いスパイクも変えた。06年に9得点10アシストし、翌年オシムジャパンの代表合宿に呼ばれた。その間使っていたスパイクと同タイプのプーマ社V2・08を今季使用。色は赤を選び「気分が燃える。何より目立つ。原点回帰で頑張りたい」。赤いスパイクをはき、ソフトモヒカン頭の太田が、今季の磐田の救世主となる。【栗田成芳】