高校2年生が“デビュー”する。コンサドーレ札幌は14日、鹿児島県内で昨季J1で5位の清水と練習試合を行う。石崎信弘監督(50)は、クラブ史上初めて高校在学中にトップチームに加入したMF古田寛幸(17)を清水戦に出場させることを13日、明らかにした。チーム合流わずか3日目での抜てきとなる古田は、早期のJデビューへ、最高のパフォーマンスを誓った。

 熊本キャンプ初の対外試合で、石崎監督は古田の起用を迷うことなく決めた。14日の清水戦出場メンバーについて問われると「まだ見ていないしね。彼がどんなプレーをやるのか。トップに加入したのだから、何か可能性はあるんだろうから」と能力を見極める最初の場とすることを明言した。

 学業のためグアム1次キャンプは参加できず、熊本でも2日しか練習していない。ただし、ユースチームで練習は積み、フィジカル的な問題はない。18日には期末試験のため帰札することもあり、早期の“Jデビュー”となった。古田は「プロとやるのは初めてだから。これでどこまで自分ができるか分かると思う。できるところは何なのか、自分自身を知りたいですし。目で見て、体で感じて学びたい」と、いきなり訪れたチャンスに喜びを隠せなかった。

 クラブ史上初めて高校在学中のトップ加入。2日しかプレーを見ていない石崎監督だが「切り返すときのスピードがありそうだね」と素質は感じている。今キャンプでは、トップスピードからの切り返しだけでマークを交わし、相手を置き去りにする場面が何度も見られた。チームメートからも「速い」と感嘆の声が上がった。当の古田は「スピードなどついていくのが精いっぱい」と言うものの、非凡な才能は随所にみせている。

 “最年少”だけに分からないことは素直に周囲に聞いている。「気を使いすぎて気持ちが落ちるようなことはまったくない」と、すんなりチームにも溶け込んだ。昨季J1の5位チームとの対戦にも「今自分が持っているものを発揮するしかない」と平常心。予定では後半から左サイドハーフに入る。格上の相手を苦しめられれば、51試合の長丁場となる今季、大きな戦力となる。【砂田秀人】