お待たせ、ダビ3発!

 移籍加入した名古屋FWダビ(24)が鹿児島・指宿キャンプ11日目の14日、J2熊本との練習試合で名古屋移籍後初ゴール含む3発と大爆発。実戦3試合目でようやく本領を発揮し、前半だけでハットトリックを達成した。大砲ダビの爆発もあり、試合は6-1で大勝。古巣との一戦で実戦デビューした熊本MF藤田俊哉(37)も名古屋の充実ぶりを口にした。

 待たせたな!

 とばかりに、ダビが3発まとめて突き刺した。まず前半25分。相手ボールを奪ったMF中村からのスルーパスを左サイド角度のない位置から左足でねじ込んで名古屋初ゴール。3分後にはFW杉本の右サイドからのクロスを頭でズドン。同40分には、同じく新加入のDF田中の右からの折り返しを左足でネットにプッシュした。

 格下J2相手だが、40分であっさりとハットトリックを達成し、前半だけでお役御免。期待の大砲は「ゴールが決められたことは良かった。グランパスはいいボールを出してくれる選手がたくさんいる」と納得の表情を浮かべた。

 ここまで練習試合2試合計90分プレーし無得点だった。昨季J1得点ランク2位16得点を決めたストライカーは孤立ぎみで、思ったように機能していなかった。ただ、キャンプ最後の練習試合はこれまでの2試合とはメンバー構成が違った。初めて主力級で固めたこの日は、別人のように躍動。1点目は難しい位置からねじ込む個人技、2点目は頭、そして3点目でキッチリとゴール前のいいポジションを取るセンスの良さを証明。万能ぶりに「特に苦手なプレーはない」と何とも頼もしいコメントを残した。

 MF小川は「ダビとヨンセンの違いを認識して、うまくダビを使えるようになった」という。高さとキープ力に秀でた前エースと違い、ダビには裏に抜けるスピードを生かしながら、ボールに数多く触れさせるというチームの共通理解が取れてきた。ストイコビッチ監督も「すべてOKだ。ダビは素晴らしいセンス、フィーリングを感じさせてくれた」と大喜び。得点王を期待される大砲は早くもフィットしつつある。ここにFW玉田が加わわれば…。期待は膨らむばかりだ。【八反誠】