<J1:名古屋3-2大分>◇第1節◇7日◇豊田ス

 名古屋が新加入のFWダビ(24)の2得点の活躍で大分を3-2で下しJリーグ開幕戦を飾った。ダビは1点を追う後半9分に同点弾。さらに同37分にも追加点を決めた。前日6日にチームメートに「2点取る」と“予告”した通りの大活躍。昨季J最少失点(34試合24失点)の堅守を誇る大分を圧倒的なパワーとスピードで粉砕した。後半30分には日本代表FW玉田圭司(28)にもゴールが生まれるなど、J屈指の2トップがいきなり結果を出し、好スタートを切った。

 ダビが堅守を誇る大分を粉砕した。後半9分。まずはスローインを受けて反転し左足でシュート。背中に相手DFを背負っていたが、お構いなし。こぼれ球を右足で突き刺すと、真っ赤に染まったサポーター席を背に雄たけびを上げ、感情を爆発させた。

 1点では終わらない。玉田が決め2-1で迎えた同37分、今度はFW玉田が最終ラインの裏に送った微妙なボールに反応。相手DFが先に追い付き処理しようとしたところに強引に突っかけ、競り合いで相手を転がして突破。右足でキッチリ決めた。

 「昨日、練習中か練習の後だったと思うけど、仲間に『2点取る』と言ったんだ」とダビは笑った。予告通りの2発。Jで最も強固な大分DFからの価値ある2ゴールで、名古屋での公式戦デビューを飾った。

 サイドから崩してゴールを奪うのが、昨季の名古屋の得点パターンだった。ダビの加入で、新たな形が生まれた。苦しい状況でも、1人で点を取りきってしまう圧倒的な力は、昨季の名古屋にはなかったもの。ダビ獲得をリクエストしたストイコビッチ監督も「我々には前線での決定力が必要だったが、ダビは1対1にも強く、スペースに走れて、ゴール前で危険な存在になれる。とてもいい働きをしてくれた」と大喜びした。

 開幕戦から、玉田との“アベック弾”でJ屈指の2トップという評判通りの働きを披露。両チーム最多5本のシュートを放ち、2本を沈めた強烈なストライカーが名古屋の一員として最高のスタートを切った。【八反誠】