柏MF大津祐樹(19)が、浦和FW原口元気(17)MF山田直輝(18)との10代対決を制し、チームを勝利に導く。5日、あこがれの国立で浦和と対戦。左MFで出場濃厚な大津は「同世代のヤツらには負けない」と、浦和のエリート・コンビに果たし状をたたき付けた。雑草魂を前面に出して力強いドリブルで浦和の守備網を切り裂き、W杯南アフリカ大会の「秘密兵器レース」でも先手を取るつもりだ。

 大津が、わき出る意欲を必死に抑えた。浦和戦の前日練習後、相手の10代コンビについて質問されると「レッズでスタメンを取ってますから間違いなくいい選手でしょう。原口は切り返しからのシュートがいいし、山田は運動量がすごい。でも人は人、自分は自分ですから」と冷静に対処した。しかし本音は…、まったく違っていた。

 大津

 同世代のヤツらには絶対に負けません。アイツらより僕の方が年上だから当然、1年以上、ボールを長く触っている。レッズが勝っているのは、アイツらというより、ポンテでしょう。正直、アイツらのことはよく分からない。

 5年前に挫折を味わった大津としては、浦和のエリート2人に負けるわけにはいかない。鹿島ジュニアユースからユースに上がれず、成立学園に進学した。「オレはアイツらのように順調にプロになったわけではない。オレには雑草魂がある。それを国立のピッチで出しますよ」と言葉に力を込めた。

 国立はあこがれの舞台だ。「高校3年間、国立のピッチを目指したけど、果たせなかった。高1の選手権で開会式の入場行進だけです。国立への強い気持ちは、ユース上がりの選手にはないはずです」。プロ1年目の昨季は公式戦18試合に出場も、国立で行われた2試合では、ベンチ入りすらできなかった。やっと夢がかなうだけに、気合が入るのは当然だ。

 実は「僕が目指しているところはもっと上ですから」と、W杯南アフリカ大会に照準を合わせている。岡田監督が指揮した98年フランス大会では、10代の小野がメンバー入りした。今回も、若手が直前に呼ばれる可能性は十分ある。日本の秘密兵器になるため、まずは10代直接対決を制し、勢いをつけるつもりだ。【盧載鎭】