<J1:新潟3-3磐田>◇5日◇第10節◇東北電ス

 磐田の「多国籍3トップ」が、0-3から勝ち点1をもぎ取った。新潟に3点目を決められた直後の前半26分、中央からFW前田が右サイドの韓国代表FWイにパス。イの右クロスに、FWが本職のMFジウシーニョが頭から飛び込み、追撃弾を決めた。この一発でチームは息を吹き返した。

 同31分にはイがジウシーニョとのワン・ツーから右足で2点目。試合終了間際にはジウシーニョがPKを獲得し、自ら同点弾を決めた。3点差以上のビハインドから勝ち点を獲得したのは、引き分け制度ができた03年以降4度目。柳下監督は「ここ数試合の選手を見ていると『点は取れるだろう』と思いながらやっている」と話した。

 前節神戸戦(2日)で、ジウシーニョが初めて左のMFで先発起用され、FW前田、イに加えた、超攻撃的布陣が結成された。この日もMFとして先発したが、3点リードを許し「ボールを持てば高い位置に行こうと意識していた」(ジウシーニョ)と、必然的に3トップになった。

 3人は日本、韓国、ブラジルと国籍が違う。言葉は通じないが、練習では日ごろから通訳を介して何度もお互いの動きを確認しているという。今季はこの3人だけでチームの全15得点をマークしている。前節決勝点を決めた前田は、この日はシュートなし。それでも残る2人がいる。今の磐田はリードを許しても追いつく爆発力がある。【栗田成芳】