戦列離脱中のエースが、9日の新潟との「天地人ダービー」で復帰を志願した。右太もも違和感で2戦連続欠場中のJ1山形FW古橋達弥(28)が7日、故障後初めてフルメニューを消化した。動きに不安はなく「全力でやれる状態」(古橋)。患部が悪化しての長期離脱を回避したい小林伸二監督(48)は起用に慎重だが、古橋は「出たいです」と鼻息を荒くした。

 患部に負担がかかるはずのダッシュをしても、右足を振り抜いても、痛みは走らない。古橋は29日大宮戦での故障後初めて、ミニゲームなど約1時間半みっちり汗を流した。「全力でやれる状態。サッカーの動きはできるので、あとは体力です」。右太ももの不安は消えた。7日間、別メニュー調整を余儀なくされた影響が、スタミナ面に出ないことだけを願った。

 離脱した2戦は、1分け1敗と勝ち点を思うように伸ばせなかった。小林監督は「(古橋を)使っていれば、もう少し面白いゲームになったと思うし、次(新潟戦で)使ってみたい。でも長期離脱が怖い…」と頭を悩ます。この日午後にはFW長谷川が、右足首を再検査。攻撃の核2人を長期離脱させたくない-という思いが強い。

 そんな指揮官の“親心”を理解しつつも、古橋の復帰への意欲は強い。柏戦をスタンドで、神戸戦はテレビ観戦し、攻撃面の課題を洗い出していた。「前の方での動き、相手を引き出せる動きが必要。出たら思い切ってゴールを狙う」と、チームの勢いを再加速させるつもりだ。ケガの功名で疲労を回復した古橋が、復帰初戦での大暴れを頭に描いた。【山崎安昭】