<Fリーグ:花巻5-0北海道>◇第2節◇30日◇岩手・花巻市総合体育館

 昨季わずか1勝に終わったステラミーゴいわて花巻が、07年11月4日以来のホームでの勝利を挙げた。前半11分にFP千葉裕也(23)のダイレクトボレーシュートが決まり先制。その後も今季新加入のエスポラーダ北海道を相手に終始攻守で上回り、ホーム開幕戦を5-0の過去最多得点で飾った。昨季は初勝利まで19試合かかったが、今季はわずか2試合目で決めた。

 試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、千葉は喜びを爆発させた。選手たちと抱き合い、ファンには拡声器を使って声援に応えた。約2年ぶりのホームでの勝利に2ゴールで貢献。「最高です。みなさんが喜んでくれる姿が力になります」と、駆けつけた1108人のファンに感謝した。

 2年連続の最下位からの脱却を目指し、岡田・サントス・ジオゴ新監督(30)の下、守備練習に力を注いできた。以前は前線からのプレスを主流にしていたが、今季は守りで形を作り、攻撃の機会をうかがう形を磨いた。「うまくチームにはまっている」と千葉。昨季は1試合平均5点以上奪われていたが、今季は2戦してオウンゴールの1失点のみ。さらにこの日は創設3年目で初の完封勝利と、成果が出始めている。

 センバツ準V、夏4強入りした花巻東の活躍に盛り上がる花巻市。岩手県出身選手の千葉も刺激を受けた1人だ。この日は花巻東のドキュメンタリー番組を見てから会場入りした。「試合に出ている選手とベンチが1つになっていた。参考になった」と、地元の後輩たちを見習い、ベンチに下がってもチームを鼓舞し続けた。「今度はフットサルで市民を盛り上げたい。目標は10勝以上」と、花巻旋風第2章を誓っていた。