17歳のG大阪MF宇佐美貴史が、天国の祖母に成長した姿を見せる。チームは5日の最終節千葉戦(万博)に向け3日、非公開で調整。宇佐美の7月19日柏戦以来約5カ月ぶりのベンチ入りが濃厚になった。既に逆転優勝が消滅し、3位が確定。事実上の消化試合だが、高校2年の新星は悲壮な決意を胸に臨む。

 11月12日に祖母せつ子さん(享年80)がくも膜下出血で急逝した。早朝に自宅で倒れ、宇佐美が練習から戻るのを待っていたかのように夕刻に息を引き取ったという。物心ついてから初めて経験する家族の死に動揺。だが「おばあちゃんが見てくれていると思う。いつもテレビでオレを見てたから。プロでやっている以上は試合に入っていかないと意味がない」と前向きに考えられるようになった。

 「G大阪の至宝」と騒がれたが1年目の今季はリーグ戦3試合にしか出ていない。自分のためだけでなく、天国のおばあちゃんのためにも-。最終節で輝きを放つ。【益子浩一】