新経営陣でクラブ再建を目指す東京Vに、クラブハウスの一部を貸し出す可能性が出ている。クラブハウスと練習場の持ち主で、昨年まで親会社だった日本テレビも属する読売グループの意向で、現在キヤノンのラグビー部と交渉している。渡貫大志社長は「現段階で詳細はお話しできません」と話すにとどめたが、近日中には正式に決まる見込み。ラガーマンとJリーガーが入り乱れ、名門チームのクラブハウスもガラリと雰囲気が変わりそうだ。

 昨年までクラブハウスと練習場の賃貸料は約3億8000万円で、クラブ経営を苦しくする一因となっていた。ただ、読売グループは経営譲渡を円滑に進めるため、半額程度への減額に合意。その際に東京Vは現在4面あるグラウンドのうち1面を明け渡す方針だったが、さらにクラブハウスにも制限が出てきた。トップチームだけでなく下部組織も使用しているだけに、少しばかり手狭になりそうだ。

 Jリーグから人材が派遣され、経営をチェックされることも近日中に決まる。大分のようにJからの借入金があるわけではないが、厳しい監視の目を向けられている。ただ、現経営陣が目指す「身の丈に合った経営」のためには、どれも避けられない道なのかも知れない。【飯島智則】