ボランチが決まらんのじゃ。コンサドーレ札幌は熊本キャンプ12日目の24日、8対8の戦術練習などを行ったが、石崎信弘監督(51)はボランチ選びに苦悩した。これまで置いた選手だけでなく、DF藤山竜仁(36)岩沼俊介(21)らも交え計5パターンを試したが、「これという組み合わせがない」と合格点は出なかった。21日のJ1神戸戦で課題に挙げていた中盤のキーマン決定には、まだまだ時間がかかる見通しとなった。

 石さん理想のダブルボランチが見つからない。この日行われた8対8の戦術練習、石崎監督はまず藤山と上里のコンビを起用した。熊本キャンプ中はセンターかサイドバックで起用していた36歳藤山を中盤に上げる、方針転換を試みた。それでも指揮官は「何か違う」と表情を曇らせた。

 納得いかず、熊本入り後は主に左サイドバックとして起用している岩沼も配置した。結果的に古田や芳賀、宮沢ら6選手を交互に組み替えながら続けたが、満足する組み合わせにたどり着くことはできなかった。「ボールを(中盤で)動かせないのでは話にならない。もっと速いテンポで回したい。今は各駅停車。ダイレクトで動かせないとリズムが出ない。これというコンビが見えてこない」。いつまでたっても解決しない懸案事項に、指揮官はいら立ちを隠せなかった。

 開幕まで2週間を切ったが、中央の2ピースが決まらない。当初はJ1名古屋に移籍したダニルソンの代役として、守備力の高い芳賀を起用するプランだったが、熊本に入りコンディションが落ち、控え組になった。21日のプレシーズンマッチ神戸戦では新たな可能性を求め、上里と宮沢の攻撃的な2人を並べたものの攻守の起点とはなりえず、指揮官を納得させることができなかった。

 攻撃型2人ではなく、守備型を1人置く当初の計画に立ち返り、この日は守備的な藤山を置いたが、ボールは奪えても、そこから素早くパスを回し前線につなげる場面はなかなかつくれなかった。「あと1試合…どうしようか」。石川、西嶋らDF陣と、近藤、内村ら前線の核となる8人にはメドがついた。ただ肝心の心臓部が決まらず、石崎監督が苦しんでいる。【永野高輔】