J1清水FW岡崎慎司(24)が突如訪れた「FW危機」を救う!

 次節24日の大宮戦(アウスタ)を2日後に控えた22日、今季の超攻撃システムの最前線でともに戦ってきたFWヨンセン(36)とFW藤本淳吾(26)が、そろって発熱で練習を欠席した。3トップのレギュラー2選手が不在となる非常事態での紅白戦となったが、絶対のエース岡崎だけは軽快な動きでフル出場。過去2年間4戦で、チーム全体でも1点だけしか奪えていない苦手?

 大宮戦での大暴れを予感させた。

 土砂降りの雨の中、岡崎が涼しい顔でピッチに立った。仙台戦(11日)に打撲した右ひざの痛みの影響で、21日までは軽めのランニング中心の別メニュー調整を続けてきた。それでも、この日の紅白戦から合流すると主力組で出場。反転からボレーシュートを放つなど、前線でいつも通りの存在感を発揮した。「大宮戦は、クロスから(DF)マトを外して飛び込めるか。ファーとか、ニアの速いボールだったら、十分に通用する」。強行出場したG大阪戦に続く2戦連続弾へのイメージを膨らませた。

 3トップで連係を確認するはずだったヨンセン、藤本の両FWの姿が、なかった。長谷川監督は「2人とも風邪。37度ちょっとの熱があったから家に帰した」と説明。紅白戦では原、長沢、山本真、兵働がスクランブル出場し、岡崎は右、左、中央と前線の各ポジションで「予行演習」し緊急事態に備えた。練習後は「2人とも、鉄人だから戻ってくると思うけど(自分は)どこで出ても一緒。自分なりの形を出していくだけ」と、まったく動じていなかった。

 大宮には、前回の対戦でヨンセンがゴールをマークして勝利しているが、それまでは3戦連続でスコアレスドロー。相手の堅い守備に、苦戦を強いられてきた。前線の主力2選手を欠く可能性のある今回は、いつも以上に岡崎にかかる期待と責任も大きい。「(右ひざの)痛みはまだちょっと残っているけど…。ガンバ戦でも点を取って自分自身のイメージはいい」とキッパリ。どんな苦しい状況でもゴールを決める。それが頼れるエース、岡崎慎司の生きざまだ。【為田聡史】