<J1:仙台1-1広島>◇第15節◇27日◇ユアスタ

 15位仙台が6位広島と1-1で引き分け、リーグ戦10戦連続で白星なしとなった。前半26分、負傷明けのMF関口訓充(24)が右足でJ1初ゴールを決めて先制。その後も攻めたが追加点を奪えず、後半33分に痛恨のオウンゴールを献上した。内容は上向きながら勝ち切れず、今季初の公式戦勝利のない月となった。

 負の連鎖を断ち切った、かに見えた。1点リードで残り15分を切る。だが、攻勢を強めた広島に徐々に押しこまれ、DF槙野の左クロスが痛恨のオウンゴールになった。手倉森監督は試合前「残留圏内で最も低い15位から1歩ずつ前進しようぜ」と選手を鼓舞していたが、勝ち切れなかった。

 それでも光明はあった。前半26分に左サイドバックの朴柱成がパスを送り、中央のFW朴成鎬が後方へ流す。そこにMF関口が走り込み、右足でJ1初ゴールを決めた。13日の練習で腹筋を肉離れ。一時は呼吸ができなくなり、笑えば激痛が走った。それより、山形と新潟の敗戦をスタンドから見届けた気持ちの方が痛かった。復帰戦で離脱の借りを返し、3本の矢を意味するサンフレッチェのお株を奪う弓矢ポーズで相手を沈黙させた。だが「(元仙台の広島FW佐藤)寿人さんから『ナイスシュート』と言われたけど、今は個人の得点よりチームの勝利が大事」と空砲を嘆いた。

 2戦連続の先制も実らず「勝ててないから焦りが出る」と手倉森監督。トンネルから抜けられそうで抜けられない。それでも、ブーイングではなく拍手を送ったサポーターへ次こそ勝ち点3を-。監督は「挽回(ばんかい)できる。信じてもらいたい」と選手の気持ちを代弁した。【木下淳】